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結論

ログ管理 SaaS は、アプリやサーバーが出すログを送って保存し、あとから検索できるサービスです。無料枠を持つ 4 つを、「無料で月にどれだけ取り込めるか」「何日残るか」「超えたときに何が止まるか」「API で送れるか」の 4 点で比べました。

  • 1 人で、無料のまま多くのログを取り込みたい → Axiom の Personal。「無料枠」列の取り込み量が 4 つの中で最も大きい一方、保存容量と検索の計算量は別の枠で数えます
  • Grafana のダッシュボードで、指標とログを同じ画面で見たい → Grafana Cloud Logs。「無料枠」列のとおり、指標とトレースもログと同じ Free に含まれます
  • 死活監視やエラー監視と同じアカウントで、少量のログも受けたい → Better Stack。「無料枠」列の量は小さい一方、監視と例外の枠が同じ Free に入っています
こういう条件なら対象決め手
1 人で、無料のまま多くのログを取り込みたいAxiom の Personal「無料枠」列(取り込み量。保存と検索は別の枠)
Grafana のダッシュボードで、指標とログを同じ画面で見たいGrafana Cloud Logs「無料枠」列(指標・トレースも同じ Free)
死活監視やエラー監視と同じアカウントで、少量のログも受けたいBetter Stack「無料枠」列と「主な制約」列(上限で止まる)
閲覧だけの人を、人数の上限なしに増やしたいNew Relic「無料枠」列(basic user の人数)と「主な制約」列(超えると全体が止まる)

比較表

2026-11-01 時点の公式情報に基づきます。出典は末尾の番号に対応しています。料金は無料プランと、個人が申し込める最小の有料の入口を月払いの月額(USD)で載せています。対象名を押すと、その対象の詳細に移ります。

対象料金無料枠主な制約前提条件検証区分出典
AxiomPersonal は USD 0。Axiom Cloud は USD 25/月+従量取り込み 500 GB/月、保存 25 GB、保持 30 日、検索 10 GB-hours/月3 データセット・1 ユーザー・監視 3。無料枠を超えたときの動きは記載なしアカウントのみ、カード不要。API は全プラン仕様[1][2]
Better StackFree は USD 0。Nano(40 GB・保持 30 日)は月払い Europe 30 / US 45 / Singapore 105ログ 3 GB/月、保持 3 日。同じ Free に監視 10・例外 10 万件/月。人数は Free の欄に記載なし上限に達すると取り込みが 402 で止まる。SQL で読むには global トークンが要るアカウントのみ。カードの要否は記載なし。API はチーム単位のトークン実行[3][4][5][6]
Grafana Cloud LogsFree は USD 0。Pro は基盤 USD 19/月(50 GB 込み)+従量取り込み 50 GB/月、保持 14 日。指標・トレースも同じ Free に含まれ、利用者は月 3 人まで50 GB を超えたときの動きは記載なし。速度の上限(5 MB/s)は利用量に合わせて調整され、1 行 256 KB 超は既定で拒否アカウントのみ、カード不要仕様[7][8]
New RelicFree は USD 0。超過は USD 0.40/GB、full user は最初の 1 人 USD 10全データ共通で 100 GB/月、full user 1・basic user 無制限(問い合わせとダッシュボード)、ログの既定保持 30 日100 GB を超えると、翌月 1 日まで取り込みと画面の両方が止まるアカウントのみ、カード不要仕様[9][10][11]
Axiom(Personal) 30 日
New Relic(Free) 30 日
Grafana Cloud Logs(Free) 14 日
Better Stack(Free) 3 日
無料プランでのログの保持日数(New Relic は docs の既定値。出典は比較表と同じ)

比較の前提

  • 対象に含めたもの: ログを HTTP や専用のエージェントで送り、画面や API で検索できる SaaS のうち、無料プランを持ち、取り込み量と保持日数が公式に載っている 4 つです。Better Stack は API で送信までを実行し、Axiom・Grafana Cloud・New Relic は公式ページの確認にとどめています
  • 除外したもの: 自分のサーバーで動かすオープンソースのログ基盤(Loki や OpenSearch の自前運用)は、上限が自分の資源で決まり、無料枠の比較が揃わないため対象外にしました。例外の収集が主役のサービスはエラー監視の無料枠比較で比べています
  • 検証区分の意味: 実行 = AI が実際に動かして確認した / 仕様 = 公式ドキュメントで確認したのみ
  • 料金表記の注意: 通貨は USD で、税の扱いは各社の料金ページの表示のままです。Better Stack の有料プランは保存先の地域で月額が変わるので、3 地域を並べています。無料枠の単位は各社で違い、Axiom は取り込み・保存・検索の計算量を別々に数え、New Relic はログ・指標・トレースを 1 つの枠で数えます
  • 選び方の軸: 「無料枠」列は、取り込める量と残る日数が対象ごとに桁で分かれ、無料で見られる人数と、ログ以外の信号が同じ枠に入るかもここに載せています。保持日数は棒グラフのとおりで、障害を何日後まで追えるかがここで決まります。「主な制約」列は、無料枠を超えたときの動きで分かれます。取り込みの API が止まると書かれている(Better Stack)、取り込みと画面の両方が止まる(New Relic)、公式に記載がない(Axiom・Grafana Cloud)の 3 通りです。「前提条件」列は、AI に送信を任せるときの鍵の単位で分かれます
  • 検証の手順: Better Stack で 2026-10-31 に行いました。使ったのは 2026-10-12 に作った Free のチームと、ユーザーが発行したチーム単位の Telemetry API トークンです。AI が流したのは、API での受け口(source)の作成、ログの送信と誤った送り方の応答の確認、SQL で読む接続の作成、設定の読み直しと受け口の削除、の 4 段階です。送ったのは合成した短い処理ログ 4 行で、個人情報や本物の認証情報は含めていません。結果は「各対象の詳細」の「検証した内容」に書いています
  • トークンを AI エージェントに渡す手段は、シークレット管理 CLI 6 つの比較で比べています。この検証でも、そこで扱った op run でトークンを注入しています

各対象の詳細

Axiom

イベントやログを大量に取り込み、APL という問い合わせ言語で検索するサービスです。無料の Personal は 1 人用で、取り込み・保存・検索の計算量を別々の枠で数えます。

仕様
向く条件
1 人で、無料のまま多くのログを取り込みたい
向かない条件
保存容量や検索の計算量が別の枠に収まらない、複数人で見たい、または無料枠を超えたときの動きを事前に確かめておきたい
  • 料金体系: Axiom Cloud は月額の基盤料に一定の取り込み・検索・保存が含まれ、超えた分は量に応じた段階制の単価で課金されます。支出の上限を決めると、超えた使用は課金されずに止まります [1]
  • 制約: 1 つのデータセットで項目(field)の数が上限を超えるイベントは、エラーを返して拒否されます [2]。料金ページと制限のページのどちらにも、Personal で取り込み量や保存容量を超えたときの動きは書かれていません [1][2]。通知先はメールと Discord に限られます [2]。エッジのリージョンは、料金ページでは Personal が「—」、制限のページでは Personal も Axiom Cloud も「US」で、2 つのページで書き方が分かれます [1][2]
  • 前提条件: Personal は「Permanent. No credit card required.」と表示されています。API は全プランで使え、上限はフェアユースの規定によります [1][2]
  • 検証した内容: この比較ではアカウントを作らず、実行していません。確認したのは公式の料金ページと制限のページ(2026-11-01)です

Better Stack

死活監視・例外の収集・ログをまとめたサービスで、ログは Telemetry という製品が受け持ちます。無料の Free は監視や例外の枠と同じアカウントに入り、ログの量と保持は 4 つの中で最も小さくなります。

実行
向く条件
死活監視やエラー監視と同じアカウントで、直近数日の少量のログを受けたい
向かない条件
何日も前の障害を追いたい、またはチーム単位のトークンだけでログを読み出したい
  • 料金体系: 有料プランは保存先の地域で月額が変わり、年払いにすると月額が下がります。含まれる量を超えた取り込みは、地域ごとに単価の違う 1 GB あたりの従量です。Telemetry を見るだけのメンバーには、有料プランでも料金が掛かりません。料金ページの「Unlimited team members」は有料プランの欄にあり、Free の欄には人数の記載がありません [3]
  • 制約: 取り込みの API は、無料枠か支出の上限に達すると 402 Quota exceeded を返します。1 回の送信の大きさにも上限があります [4]。SQL でログを読む接続(ClickHouse 互換)を API で作るには、チーム単位ではない global の API トークンが要ります [6]。docs は壊れた JSON に 406、誤ったトークンに 403 を返すと書きますが、この検証では 202 と 401 でした [4]
  • 前提条件: 料金ページにカードの要否の記載はありません [3]。この検証のチームは、カードを登録せずに作ったものです。受け口の作成と送信は、チーム単位の Telemetry API トークンだけで進められます [5]
  • 検証した内容: 2026-10-31 に、Free のチームの Telemetry API トークンで実行しました。チーム単位のトークンでは送ったログを API で読み出せず、ダッシュボードでの受信の確認もしていません。受け付けの判定は、docs が「successfully logged」とする 202 の応答によります [4]。
    手順呼び出し結果
    受け口の作成POST /api/v2/sources(name と platform=http。地域は指定しない)201。送信用の token と ingesting_host、logs_retention: 3 が返る。保存先はチームの既定の us-west-2a [5]
    1 件を送るPOST https://<ingesting_host>/(JSON 1 件、受け口のトークン)202。本文は空 [4]
    まとめて送る同じ先に JSON 配列で 3 件(dt に UNIX ミリ秒)202
    壊れた JSON閉じていない JSON を送る202。docs の 406 とは違う応答
    誤ったトークン存在しないトークンで送る401 {"error": "Unauthorized"}。docs は 403 と書く
    SQL で読む接続POST /api/v1/connections(チーム単位のトークン)401 This endpoint requires a global API token, not a team token [6]
    設定の読み直しGET /api/v1/sources/{id}logs_retention: 3、ingesting_paused: false
    削除DELETE /api/v1/sources/{id}204。続く GET は 404

Grafana Cloud Logs

ダッシュボードの Grafana を開発する会社のクラウド版で、ログは Loki で受けます。無料の Free はログ専用ではなく、指標やトレースも同じアカウントで受けて、同じ画面に並べます。

仕様
向く条件
Grafana のダッシュボードで、指標とログを同じ画面で見たい
向かない条件
無料枠を超えたときの動きを事前に確かめておきたい
  • 料金体系: Pro は月額の基盤料に一定の取り込みが含まれ、超えた分は処理・書き込み・保持の 3 つに分けて 1 GB ごとに課金されます [7]
  • 制約: 料金ページの Free は「Limited to 50 GB ingested per month」と書くだけで、超えたときの動きは書かれていません。利用者の数は「Limited to 3 active users per month」で、何をもって active と数えるかの説明は料金ページにありません [7]。取り込みの上限を超えると、速度は 429 rate_limited、1 行の長さは 400 line_too_long、ストリームの数は 429 stream_limit で拒否されます。1 回の検索で遡れる期間にも上限があります [8]。速度の上限は固定の値ではなく、実際の利用量に近づくよう調整されます。対象は標準の push API で、OTLP の送信には別の制限があります。長い行は、拒否せずに切り詰める設定もできます [8]
  • 前提条件: Free は「No credit card required」と表示されています [7]。制限のページは Free と有料を分けて書いていません [8]
  • 検証した内容: この比較ではアカウントを作らず、実行していません。確認したのは公式の料金ページと Loki の制限のページ(2026-11-01)です

New Relic

性能監視(APM)を中心に、ログ・指標・トレースを 1 つの基盤で扱うサービスです。無料枠はログ専用ではなく、送ったデータの合計で数えます。

仕様
向く条件
閲覧だけの人を、人数の上限なしに増やしたい
向かない条件
無料枠を超えたときも、ログの取り込みと画面を止めたくない
  • 料金体系: 無料枠を超えた取り込みは 1 GB ごとの従量で、保持の長い Data Plus は単価が上がります。Standard の full platform user は 2 人目から単価が上がり、人数にも上限があります [9]
  • 制約: 料金ページの FAQ は、無料の取り込み量を超えると「Data ingest will cease and you will lose access to the platform」と書きます。有料に切り替えるか、翌月 1 日になると取り込みと画面が戻ります [9]。basic user ができるのは「run queries and create and view custom dashboards」で、APM やログの専用画面は full platform user の範囲です [10]。ログの既定の保持は docs の表の値(「無料枠」列)です [11]。無料枠のページは、無料のデータの保持を「at least eight days」と短く書いています [10]
  • 前提条件: 無料枠はカード不要です。有料へ切り替えるときに、カードと請求先の登録が要ります [9][10]
  • 検証した内容: この比較ではアカウントを作らず、実行していません。確認したのは公式の料金ページ・無料枠のページ・データ保持の docs(2026-11-01)です

用途別の選び方

最初に分かれるのは、無料で見る人数に上限があってよいかです。「無料枠」列の人数は、上限なし・数人・1 人・記載なしに分かれます。上限があってよいなら、無料で取り込みたい量、普段使う画面、監視と同じアカウントにまとめるかで分かれます。

  • 閲覧だけの人を、人数の上限なしに増やしたい → New Relic。決め手は「無料枠」列の basic user の人数です。超えたときに画面ごと止まる点は「主な制約」列にあります
  • 1 人で、無料のまま多くのログを取り込みたい → Axiom の Personal。決め手は「無料枠」列の取り込み量で、保存と検索の枠が別に数えられる点も同じ列にあります。超えたときの動きが公式に無い点は「主な制約」列にあります
  • Grafana のダッシュボードで、指標とログを同じ画面で見たい → Grafana Cloud Logs。決め手は「無料枠」列で、指標とトレースが同じ Free に含まれます
  • 死活監視やエラー監視と同じアカウントで、少量のログも受けたい → Better Stack。決め手は「無料枠」列で、保持日数の短さは棒グラフのとおりです
  • アプリの外から URL を叩いて、止まったことを知りたい → 死活監視の無料枠比較が対象です。例外を拾いたいならエラー監視の無料枠比較が対象です

出典

  1. Axiom — Pricing — 2026-11-01 確認
  2. Axiom Docs — Limits and requirements — 2026-11-01 確認
  3. Better Stack — Pricing — 2026-11-01 確認
  4. Better Stack Docs — Ingesting logs via HTTP — 2026-11-01 確認
  5. Better Stack Docs — Create a source — 2026-11-01 確認
  6. Better Stack Docs — Create a connection — 2026-11-01 確認
  7. Grafana Labs — Pricing — 2026-11-01 確認
  8. Grafana Cloud Docs — Loki limits — 2026-11-01 確認
  9. New Relic — Pricing — 2026-11-01 確認
  10. New Relic — Free tier — 2026-11-01 確認
  11. New Relic Docs — Manage data retention — 2026-11-01 確認