結論
死活監視サービス 4 つと OSS 1 つの無料枠を、「無料のまま、公式の手段で監視を作って消せるか」を軸に比べました。 無料枠が最も大きく、公式の API と Terraform provider が無料のまま使えるのは UptimeRobot です。 50 件まで登録でき、クレジットカードも要りません。 ただ、監視の定義をコードで持って CLI から配備したいなら Checkly が合います。 無料枠は 10 件ですが、最短間隔は 2 分で 5 社の中で最も短く、公式 CLI と Terraform provider の両方があります。 自前のサーバーがあるなら Uptime Kuma が件数無制限で秒単位の間隔を取れますが、公式の管理 API がない点が分かれ目です。
比較表
2026-09-03 時点の公式情報に基づきます。出典は末尾の番号に対応しています。料金は各社の表示通貨(USD)です。
| 対象 | 料金 | 無料枠 | 主な制約 | 前提条件 | 検証区分 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| UptimeRobot | Free は USD 0。Solo は USD 9/月(年払い。月払いは USD 10)で 60 秒間隔・10 件・保持 12 か月 | 50 モニター、5 分間隔、データ保持 3 か月。ステータスページ 1(独自ドメイン不可) | 通知はメール・Google Chat・Discord・Pushover など。Slack・Teams・Telegram は Solo 以上、Webhook・PagerDuty は Team 以上。API は 10 req/分。5 分より短い間隔は API でも拒否される | アカウントのみ。クレジットカード不要、商用利用可。API v3 と公式 Terraform provider が全プランで使える。CLI はなし | 実行 | [1][2][3][4][5][6] |
| Better Stack(Uptime) | Free は USD 0。追加 50 モニターで USD 25/月(年払い USD 21/月)、30 秒間隔 | 10 モニター + 10 ハートビート、3 分間隔。ステータスページ 1 | 通知はメールと Slack。電話・SMS は有料プランの記載のみ。リージョンは us / eu / as / au | アカウントのみ。クレジットカードの要否は公式に明記なし。REST API v2 と公式 Terraform provider あり。CLI はなし | 仕様 | [7][8][9][10][11][12] |
| Checkly | Hobby は USD 0。Starter は USD 24/月で 50 モニター・1 分間隔・3 ユーザー | アップタイムモニター 10、2 分間隔、地点 6 か所。ブラウザチェック 1,000 回/月、API チェック 10,000 回/月(ハードキャップ)。保持は生データ 7 日 | 通知はメール・Slack・Webhook。SMS・電話は Team 以上。1 ユーザーのみ、プライベートロケーション不可 | アカウントのみ。クレジットカード不要。公式 CLI(checkly test / deploy)と Terraform provider が Hobby でも使える | 実行 | [13][14][15][16][28][29] |
| Cronitor | Hacker は USD 0。Business は USD 2/月/モニター + USD 5/月/ユーザー(基本料なし、14 日トライアル) | 5 モニター、5 分間隔。ステータスページ 1(基本) | 通知はメールと Slack のみ。地点数と保持期間は無料枠の記載なし。ダッシュボードユーザー 1 | アカウントのみ。クレジットカード不要(トライアルは必要)。Monitor API と公式 CLI あり。Terraform は community 版のみ | 仕様 | [17][18][19][20][21] |
| Uptime Kuma(OSS) | USD 0(サーバー代は別) | 無制限(自前サーバー)。最小間隔はコード上 1 秒(UI は 20 秒未満で警告) | セルフホストが要る。公式の管理 API がなく、Socket.IO の内部 API は「サードパーティ向けに非サポート」と明記。SQLite は NFS 不可 | Node.js 20.4 以上または Docker。MIT ライセンス。通知は 90 種以上、ステータスページは複数可 | 実行 | [22][23][24][25][26][27][30] |
無料枠で登録できるモニターの数と、無料枠で選べる最短のチェック間隔を並べると、次のようになります。 Uptime Kuma は自前サーバーで件数に上限がないため、件数の図からは外しています。
比較の前提
- 対象に含めたもの: 公式サイトで無料枠の上限を公開していて、個人アカウントから申し込める SaaS 4 つと、 同じ用途で最も広く使われている OSS の Uptime Kuma です。SaaS はいずれも HTTP(S) の死活監視を無料枠に含みます
- 除外したもの: Pingdom・Datadog Synthetics・New Relic Synthetics などの、無料枠がトライアルのみか、 監視が上位製品の一機能になっているサービス。Grafana Cloud の Synthetic Monitoring は無料枠がありますが、 Prometheus 連携が前提で比較軸が変わるため別の記事で扱います
- 検証区分の意味: 実行 = AI が実際に動かして確認した / 仕様 = 公式ドキュメントで確認したのみ
- 監視対象はすべてこのサイト(
https://kurabebako.com/)です。実行区分の対象は、作成から削除までを 公式の自動化手段だけで行い、人間が触ったのはアカウント登録と API キーの発行だけです。 監視対象になっているこのサイトの配信構成は、静的サイトの無料ホスティング比較で扱っています - 「最短間隔」は無料枠で設定できる最小値です。有料プランの値は「料金」列に書いています
各対象の詳細
UptimeRobot
無料枠が 50 件で、公式の API と Terraform provider が無料のまま使えます。 この記事では API v3 で作成から削除までを通しました。
料金体系: Free は無料で、クレジットカードの登録も要りません。Solo は年払いで USD 9/月(月払い USD 10)、 60 秒間隔・10 モニター・ステータスページ 3・保持 12 か月です。SMS と音声通知はクレジットの別売りです [1][2]
制約: 無料枠は 50 モニター・5 分間隔・データ保持 3 か月です。通知先はメール・Google Chat・Discord・Pushover・Pushbullet・Splunk で、 Slack・Teams・Telegram は Solo 以上、Webhook・Zapier・PagerDuty は Team 以上になります。連携の数に上限はありません [1][2][3]。 API は無料プランで 10 req/分です [4]
前提条件: アカウントのみ。API キーはダッシュボードの Integrations & API から発行します。API v3 は全プランで作成・編集・削除に対応し、 公式の Terraform provider(
uptimerobot/uptimerobot)がモニター・連携・メンテナンス期間・ステータスページを扱います。CLI はありません [4][5][6]検証した内容: 2026-09-03 に API v3 を無料プランで叩きました。認証は
Authorization: Bearer <API キー>です。 作成の必須項目はfriendlyName/interval/type/url/timeoutの 5 つでした。結果は次のとおりです。操作 結果 GET /monitors(一覧)200。応答ヘッダーに x-ratelimit-limit: 10、x-ratelimit-reset: 60POST /monitors(間隔 60 秒)403「You can not use this monitor interval. Use higher interval.」 POST /monitors(HTTP、間隔 300 秒)201。 status: STARTED、応答まで 2.2 秒作成 → 取得 → 削除の 3 リクエスト 7.9 秒。削除後の取得は 404「Monitor not found」 作成の 62 秒後に取得 status: UP(初回チェックが反映)無料プランでは 5 分より短い間隔を API から指定しても拒否されます。API ドキュメントの「minimum: 30」は有料プランの値で、 無料枠の下限は料金ページの 5 分が正です。作った監視は 1 件残し、このサイトの運用に使っています
Better Stack(Uptime)
無料枠は 10 件で、間隔は 3 分です。API と Terraform provider は公式にありますが、 無料枠でカードが要るかどうかが公式に書かれていないため、この記事では仕様区分にとどめています。
- 料金体系: Free は無料です。有料は追加 50 モニターごとに USD 25/月(年払いなら USD 21/月)で、間隔が 30 秒になります [7]
- 制約: 無料枠は 10 モニターと 10 ハートビート、間隔は 3 分です。料金ページの「30 秒」は有料の値で、 ドキュメントに「3 minutes for free plans」と明記されています [7][9]。通知はメールと Slack で、 電話と SMS の「無制限」は料金ページの有料機能の欄にだけ出てきます [7]。リージョンは us / eu / as / au の 4 つです [10]
- 前提条件: アカウントのみ。クレジットカードの要否は料金ページに記載がなく、「不要」とは書けません [7]。
REST API v2(
POST /api/v2/monitorsでcheck_frequencyとregionsを指定)と、 公式の Terraform provider(BetterStackHQ/better-uptime)があります。CLI はありません [10][11][12] - 検証した内容: 仕様区分です。上記の公式ページ [7]〜[12] を 2026-09-03 に確認しました。 カード要否が公式に明記されていないため、AI によるアカウント登録は行っていません
Checkly
「監視をコードで持つ」流れを無料で再現できるのは、5 つの中で Checkly だけです。
checkly.config.ts とチェック定義を書き、npx checkly test で試してから deploy で配備します。
料金体系: Hobby は無料で、クレジットカードも要りません。Starter は USD 24/月で 50 モニター・1 分間隔・3 ユーザーです [13]
制約: Hobby はアップタイムモニター 10、間隔 2 分、地点 6 か所です。ブラウザチェック 1,000 回/月と API チェック 10,000 回/月はハードキャップで、 超えると止まります。保持は生データ 7 日・集計 30 日。通知はメール・Slack・Webhook で、SMS と電話は Team 以上です。 ユーザーは 1 人、プライベートロケーションは使えません [13]
前提条件: アカウントのみ。CLI は環境変数
CHECKLY_API_KEYとCHECKLY_ACCOUNT_IDで非対話にログインできます [29]。 公式 CLI は Hobby でも使えると料金ページに明記されています [13][14]。 Terraform provider(checkly/checkly)と Pulumi provider もあります [15][16]検証した内容: 2026-09-03 に Checkly CLI 9.1.0 で、
UrlMonitorを 1 件(2 分間隔、東京リージョン、200 のアサーション)定義して配備しました [28]。操作 結果 npx checkly test --verbose47.9 秒。テストセッションは eu-central-1で走り、200 OK・56 msnpx checkly deploy --force7.7 秒で配備完了 REST API GET /v1/checkscheckType: URL、frequency: 2、locations: ["ap-northeast-1"]、activated: truecheckly testはモニターのlocationsとは別の地点で実行される点に注意してください。配備したモニターは残し、このサイトの運用に使っています
Cronitor
無料枠は 5 件と最も小さいですが、公式の CLI と API で作成・削除ができます。 少数の監視を軽く持ちたい場合の候補です。
- 料金体系: Hacker は無料です。Business は USD 2/月/モニター + USD 5/月/ユーザーで、基本料と最低額はありません。14 日のトライアルはクレジットカードが要ります [17]
- 制約: 無料枠は 5 モニター・5 分間隔です(有料は 30 秒)。地点は全体で 11 リージョンですが、無料枠で使える地点数と保持期間は記載がありません。 通知はメールと Slack のみで、SMS とプレミアム連携は使えません。ダッシュボードのユーザーは 1 人です [17][18]
- 前提条件: アカウントのみ。無料枠にクレジットカードは要りません。Monitor API(
POST/PUT/DELETE /api/monitors、Basic 認証)と 公式 CLIcronitor(monitors の create / update / delete)があります。Terraform は公式 provider がなく、community 版のみです [19][20][21] - 検証した内容: 仕様区分です。上記の公式ページ [17]〜[21] を 2026-09-03 に確認しました。 次回の更新で CLI による作成・削除を流して実行区分に置き換える予定です
Uptime Kuma(OSS)
自前のサーバーに立てれば件数は無制限で、間隔も秒単位で取れます。 ただし公式の管理 API がなく、作成・削除の自動化は内部 API に頼ることになります。 この記事では Docker を使わず、ローカルの Node.js で起動して確認しました。
料金体系: MIT ライセンスの OSS で無料です。サーバー代は別で、 国内 VPS の最小プランの比較は 別の記事 にまとめています [22]
制約: セルフホストが要ります。公式の REST API はモニター管理向けにはなく、Socket.IO の内部 API は 「サードパーティ向けに非サポート、予告なく破壊的変更あり」と明記されています [24]。CLI と Terraform は community 版のみです [27]。 SQLite は POSIX のファイルロックが必須で、NFS 上には置けません [23]。 最小間隔はコード上 1 秒で、UI は 20 秒未満に警告を出します [30]
前提条件: Node.js 20.4 以上または Docker [22][23]。通知は Telegram・Discord・Slack・SMTP など 90 種以上、ステータスページは複数作れてドメインごとに出し分けられます [25]
検証した内容: 2026-09-03 に Uptime Kuma 2.5.3 を Windows 11 の Node.js 24.18.0 で起動しました。
工程 結果 npm run setup(依存の導入と dist の取得)39 秒 node server/server.jsから HTTP 応答まで133 秒(「Loading modules」だけで 92 秒)。起動直後のメモリ 197 MB 初回の DB 設定( POST /setup-database、SQLite)受理後、マイグレーションを経て本体が listen するまで約 2 分 内部 API で管理者作成 → ログイン → モニター追加(20 秒間隔) 追加から初回チェック(UP、200 OK、ping 205 ms)まで 0.2 秒 内部 API でモニター削除 即時。一覧が 0 件になったことを確認 2.x は初回起動時に SQLite か MariaDB かを選ぶ DB 設定画面が入ります。管理者の作成からモニターの追加・削除まで、 すべて Socket.IO の内部 API(
setup/login/add/deleteMonitor)で通りましたが、 一覧のイベントがコールバックより先に届くなど、公式に保証されない挙動に依存します。 検証後はサーバーを停止し、ポートが閉じたことを確認しています
用途別の選び方
上から順に答えていくと、条件に合う対象にたどり着きます。各分岐の根拠は下の箇条書きと比較表の列に書いています。
- 監視の定義をコードで持ち、CLI や CI から配備したい → Checkly。「前提条件」列のとおり、公式 CLI の
testとdeployが無料枠で使えるのは Checkly だけです。 無料枠の最短間隔 2 分も 5 つの中で最も短いです - 無料で 10 件より多く監視したい、または API で作成・削除したい → UptimeRobot。「無料枠」列の 50 件は他社の 5 倍で、 API v3 と Terraform provider が無料のまま使えます。ただし「主な制約」列のとおり、Slack 通知は有料プランからです
- 自前のサーバーがあり、秒単位の間隔と件数無制限がほしい → Uptime Kuma。「主な制約」列のとおり公式の管理 API がないため、 作成・削除を自動化する用途には向きません。手で登録して運用する前提なら最も自由度が高い選択です
- 10 件以内・3 分間隔で、通知はメールと Slack で足りる → Better Stack。無料枠で Slack 通知が使えるのは Better Stack と Checkly、Cronitor です。 電話・SMS が要るなら有料プランになります
- 5 件以内で最小構成にしたい → Cronitor。公式 CLI と API があり、無料枠にカードは要りません。Terraform は community 版のみです
各サービスの API キーを CI や AI エージェントに渡す手段は、シークレット管理 CLI 6 つの比較で、無料枠と機械向けトークンの作り方を実際に動かして比べています。 監視の通知を自前の API からメールで送るなら、メール送信 API 5 つの無料枠比較で無料枠と送信までのゲートを比べています。
出典
- UptimeRobot Pricing — 2026-09-03 確認
- UptimeRobot Help — Who should use UptimeRobot’s free plan — 2026-09-03 確認
- UptimeRobot Help — Integrations: basic information — 2026-09-03 確認
- UptimeRobot API — 2026-09-03 確認
- GitHub — uptimerobot/terraform-provider-uptimerobot — 2026-09-03 確認
- UptimeRobot Blog — Terraform provider release — 2026-09-03 確認
- Better Stack Pricing — 2026-09-03 確認
- Better Stack Uptime — 2026-09-03 確認
- Better Stack Docs — Check frequency — 2026-09-03 確認
- Better Stack Docs — Create a new monitor (API v2) — 2026-09-03 確認
- Better Stack Docs — Terraform — 2026-09-03 確認
- GitHub — BetterStackHQ/terraform-provider-better-uptime — 2026-09-03 確認
- Checkly Pricing — 2026-09-03 確認
- Checkly Docs — CLI — 2026-09-03 確認
- Checkly Docs — Terraform provider — 2026-09-03 確認
- GitHub — checkly/terraform-provider-checkly resources — 2026-09-03 確認
- Cronitor Pricing — 2026-09-03 確認
- Cronitor Docs — Uptime monitoring — 2026-09-03 確認
- Cronitor Docs — Monitors API — 2026-09-03 確認
- Cronitor Docs — Using Cronitor CLI — 2026-09-03 確認
- GitHub — cronitorio/terraform-provider-cronitor(404。公式 provider が存在しないことの確認) — 2026-09-03 確認
- GitHub — louislam/uptime-kuma — 2026-09-03 確認
- Uptime Kuma Wiki — How to Install — 2026-09-03 確認
- Uptime Kuma Wiki — Internal API — 2026-09-03 確認
- Uptime Kuma Wiki — Status Page — 2026-09-03 確認
- Uptime Kuma Wiki — Environment Variables — 2026-09-03 確認
- Uptime Kuma Wiki — 3rd Party Addons / Apps — 2026-09-03 確認
- Checkly Docs — UrlMonitor construct — 2026-09-03 確認
- Checkly Docs — CLI authentication — 2026-09-03 確認
- GitHub — louislam/uptime-kuma 2.5.3 src/util.js(MIN_INTERVAL_SECOND) — 2026-09-03 確認